ありがたい事に某お方から
「どうやって水彩絵描いてるんですか?」
というご質問を頂きましたので、為にならないメイキングページを作ってみました。

本の表紙の時などに行う、もっとも時間の掛かるにぎし流の描き方を
晒そうかとおもいます。興味のある方はお付き合いくださいませ。

















今回使用したもの
・マルマンの水彩画用紙
・ホルベインの透明水彩絵具
・筆(細いもの)
・プラスチックのパレット(10枚100円くらいで売ってたやつ)
あと写真には写ってないけど油彩色鉛筆(小学校の頃使ってたもの)





下書きには消しゴムで消せるカラー鉛筆の水色を使いました。
えらくファンシーなシールが貼ってあるのは、姉の芯と見分けをつけるため。
同じ物使ってるので。原稿の時とかも良く使う。





まずは水色芯で下書き。かなり雑です。
大体のアタリとか顔のパーツの位置とかが定まればいいかなと




次に0.3mmシャーペン(B)で線を定めていきます。

落書とか原稿だったらこの段階でスキャナで取り込むので、そこそこ丁寧に戦を引きますが
今回はこれが本書き線ではないので多少雑に。
いつもニアを描くと^^にしてしまうので、多少自分のハードルを上げるため
表情(目)を水色線のときと変える。






茶色の色鉛筆で丁寧になぞる。
水色と黒がごちゃごちゃして、どの線なぞれば良いのか自分でも混乱 雑すぎる
この段階では線をなぞる事だけに集中します。強弱とかは後回し。

シャーペン段階で書き足した背景(この辺に何か描こうかなあという未定の地)は
どうなるか解らないので黄色で薄くなぞっておきました。
普段は背景なんて書かないし

いつも 絵を描く時は 行き当たり ばったり です
無計画にも程がある





消しゴムをかけて水色とシャーペンの線を消す。
下書き段階の方が良かったなんていつも思うこと。挫けてる暇などありません。
戦いは未だ始まったばかり

この時一緒に茶色の色鉛筆線も薄くなってしまいます。黄色とか殆ど見えねえ。
このままでは色尾塗った時に主線がボケてしまうので、もう一度線を引きます。
今度は線に強弱をつけながら、時々薄く影も塗ります。



細かいところは色鉛筆をカッターで削って出来るだけ尖らせてなぞります。
家にある手回し鉛筆削りのとがらせ方じゃ足りないので。
ていうか古くてちゃんと削れなくなってるorz



毎回この線を引く段階が一番挫けそうになります・・・
だから本の表紙とか本当の本気の時しかこの線やらない。





線が引けました。
この段階でいつも もう完成にしたい衝動に駆られる。
だって色塗り失敗したらパアだもの。アナログにアンドゥはないんだもの。












・・・さて、色塗りに入ります。

昔美術の時間に先生に「薄い色から塗れ」と言われたのを思い出しますが、
イマイチ全体図を考えてないので、とりあえず肌から塗っていきます。


まず頬、次に鼻の上と肌色(ジョーンブリヤン)にちょこっと黄色(パーマネントイエロー)を混ぜた色を載せます
因みに下が2回くらい筆を重ねた後






・・・・・・・・・薄っ

高校の時「お前ソレ色ついてんの?」といわれた事もある にぎしの一筆。
気が弱いのでいきなり濃い色とか無理。心臓に悪い。
かなり水で薄めた色を何度も重ねて、少しずつ濃くしていきます。
だから普通の紙だと完成までに紙がけばけばになってしまう・・・;






ある程度濡れたら今度は肌色と朱色(バーリオンビュー)を混ぜた赤みのある肌色で
頬など顔の中心部、肩、胸の谷間辺りに少し赤みを足します。
手を描いてたら指先とかにも。小さくくりくり筆先を動かして塗ります。







髪の毛の黄色を塗ります。
パーマネントイエロー一色で、適当にわさーと塗っていきます。
後で青で影を入れるだろうなという所は適当に白いまま残しておきます。
あんまり細かくは考えません。

因みに塗ってて楽しい髪の毛は侍7のヘイさん(オレンジ)とグレラガのシモンさん(青)。
ニアは出来るだけ全身絵で塗りたくないです・・・後ろの長い髪が難しい。ぐるぐるが;





次に服を塗ります。塗る順番はあまり深く考えていません。
朱色と赤(ローズマダー)を混ぜながら塗っていきます




薄く延ばした後に上から上からを繰り返していきます。
今回は花で絵の境界線をぼかしていく作戦でしたが
若干失敗した気がします。でも現実にアンドゥはないのだよ。

諦めて次へ進みます。





ニアの細かいパーツを塗ります。
金具は黄銅色(イエローオーカー)で。少しだけ黄色も混ぜたような気もします。
赤はローズマダー、黄緑はパーマネントイエローとパーマネントグリーン。







ニアの目は特殊なので薄く青(プルシャンブルー)を塗ってから、赤(服で使ったのと一緒)で花を描きます。
初めに塗った青が乾くまで暇なので髪の青も同じ色で少しずつ塗っていきます。

花を描いた後、上の方だけもう一度青を重ねて目にグラデーションをつけます。
↓こんな感じ



あとは髪の影だけなのでプルシャンブルーとコバルトブルービューを交互に塗っていきます。
今回は比率的にプルシャン多めで塗りました。本当その日の気分です。





これで、背景以外は完成です。
ココ直したいとか 塗らなきゃ良かったとか 思っても手遅れです。

あとは背景をどーしよっかなあとか言いながら
ちょっとずつ塗って完成。





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にぎしのパレットはこんな感じ



黒と水色は姉の木野の為に出したので殆ど使いません。(水色はたまに使うけど)
あと白も使わん。何処で使えばいいのかわかんない
黒を塗るときは青とこげ茶(バーントアンバー)を混ぜた色を塗ります。
混ぜて色を作る時は、パレット上に大量に用意するのではなく
少しずつ混ぜながら塗っていくので、
同じ場所を縫っていても混合割合が違う色だったりします。
基本的には感覚で。


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完成した絵はスキャンしてフォトショで処理。
ハイライトを弄ったりしながら影やゴミを処理していきます。





にぎしの絵は色が薄いので、レイヤーの複製をして乗算をかけます。

これで 完成です


09.03.29



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